『
ガリバー旅行記』
原作:
ジョナサン・スウィフト監督:
ロブ・レターマン出演:
ジャック・ブラック、
エミリー・ブラント、
アマンダ・ピート、
ジェイソン・シーゲル、
ビリー・コノリー、
クリス・オダウド、他
実は原作未読です。
なので、原作と比較して批評することができないんですが、ウィキペディアを見ると原作は風刺小説だそうですね。
児童文学だとばかり思っていたので、そのことにすら驚いてしまったんですが、子供向けの二篇のみのものと、全編が載ってる完全版(?)とがあるようですね。
パンフレットで
ジャック・ブラックのインタビューが載ってて、そこで「完全版(?)を今回初めて読んだ」とあったのを思い出したんですが、これはそういうことだったんだなと今納得しました。
ただ、原作は風刺小説だということですが、今回の映画ではそういうのはなかったような…?
私はアメリカ人ではないしアメリカに住んでもいないので、あっても気づかなかっただけかも知れませんが。
見てて感じたのは、「自分をちっぽけな人間だと思わず、積極的になって、自分の手で成功を掴み取れ」ってところかなと。
「自分にはどうせ無理だ」と思って、上を目指す努力をせず現状維持だけで満足している人が、物語の中で起こった問題や経験がきっかけで、「このままじゃダメだ」「もっと自分はできるはずだ」と気づかされる――という感じの物語。
ありがちな話だなと思う反面、こういう物語は普通、主人公に自分を投影して見るものだと思うんですが、それにしては主人公に感情移入できないシーンが多かったなと思います。
小さな人間の住む世界(国)で、英雄扱いされた途端に態度が大きくなって、自分用の家を作らせたり、自分が見てきた映画をあたかも自分が経験したかのように劇にして演じさせてみたり、彼らをおもちゃにして遊んだり…
後半で、それらが全部ウソで再び元の自分に戻り、そこから本当の英雄になる――という流れが必要だとしても、それでもちょっと…もう少し好感の持てる主人公だったら良かったのになと思います。
予告が上手かったというか、良く見せるために工夫したなというところで、少し詐欺に近かったかなと思わなくもないです。
他の映画の予告でもよくあることだと思いますが、順序が前後していたりして、その流れが一番「自分はダメだと思い込む主人公が本当の英雄になる」というテーマにピッタリだったんですね。
それが、実際に映画を見てみると予告で見た流れとは異なるし、そうなると何かダラダラした感じで時に苦痛を覚えたりしました。
それから、ラストで「戦争をするな」と主人公が言って、いきなり歌と踊りが始まったところでは、思わず笑ってしまったけども失笑に近いものがあったような気がします。
面白かったのは小人の国に漂着し、そこでは主人公は巨人だけど、その国で島流し(?)にあって漂着した先は、主人公よりさらに大きな巨人が住んでいた、というところ。
主人公は小人をおもちゃのように扱っていたけど、その主人公が今度は巨大な人間におもちゃとして扱われる、ということに皮肉を感じます。
あと、出演者の方では
エミリー・ブラントが出てて嬉しかったです。
『プラダを着た悪魔』に出てた方ですが、その時の演技に(もしかしたら役柄に)好感を持ってたので。
以上、気になった部分を上げてみましたが、今回字幕で見たんですけど吹替えで見たら、また何か違ったのかなと思います。
主人公の吹替えの声優も私の好きな声優さんだったし、吹替えだったかなぁと見終わったあとすぐに後悔しました。
テーマ : 映画館で観た映画
ジャンル : 映画