『ゼロ・ダーク・サーティ』 ★★★
監督:キャスリン・ビグロー
出演:ジェシカ・チャステイン、ジェイソン・クラーク、ジョエル・エドガートン、ほか
予告でチラッと見て、重そうな話だけど面白そうだなと思ってはいました。
友人が試写会を当てたというので、有難く同行させていただいたんですが、実際に見た感想も「重いな」でした。
実は予告を見たと言っても内容はほとんど忘れてました。
試写会当てたよ、と映画のタイトルを聞いてもとくに調べもせず、映画が始まってから「実話を元に作られた映画だったのか」と気づいた次第で、ほぼ前知識なしでした。
政治的な話は自分には難しすぎるので置いておくとして、冒頭から9.11の惨劇(音声のみですが)が始まり引き込まれてしまいました。
あんなことをする人たちを血眼になって探すアメリカ側の人たちに、最初は同調しながら見てたような気がします。
でも、最後の隠れ家に突入した場面では少々考えさせられました。
突入後、隠れ家にいる大人たちが殺され、女子供がひとつの部屋に集められている所を見ると、本当にこれが正しかったんだろうかと思います。
主人公として登場していた女性(マヤ)は、たぶんそんな場面を見てないだろうけども、その事実をどう思ってるんだろうか、とも思います。
親を殺された子供はどう思っただろうかと考えると、また同じことの繰り返しにならないかと不毛な気持ちにもなります。
ネットのレビューで誰かが「アメリカ賛美」と書かれていましたが、私は単純にそうは思えませんでした。
確かにそういう部分はあったかも知れませんが、事実を淡々と描写しているように見えたし、拷問のシーンや突入シーンのことを考えると、「本当にそれが正しかったのか」と思う人が多いんじゃないかなと。
実際の出来事を映画化している作品なので、フィクションのアクション映画みたいに爽快感もないし「楽しかったー」という感想はないです。
それでも、最後まで緊張感が途切れることもなく集中して見れたのは、その内容のせいに加えて構成とか演出とか、そういう部分も上手かったんだろうと思います。
最後に、映画の話からは逸れますが…
戦争は嫌なものだし、今後日本には戦争して欲しくないし、巻き込まれたくもないなと思いますが、他国の「愛国精神」は羨ましくもあるなと思います。
この映画を見て、戦争を起こすまではしたくないけども、日本ももう少し「愛国」側に傾いてもいいんじゃないかなと、他国が羨ましくなりました。
