『獣医ドリトル』 12巻 ★★★★
原作:夏緑
作画:ちくやまきよし
出版:小学館
あぁ、せっかく5巻まで感想を書いたのに、6巻~11巻の感想を飛ばしてしまった。
でも、どの巻も面白かったです。
最初は引きこもりだったカエルくんが、こんなに度々出てきて活躍することになるとは思いませんでしたが。
とはいえ、キャラクター的にとても良い。おいしい。見てるとさかなくんを思い出すけどもw
12巻の感想ですが、鳥取と花菱の過去が読めて楽しかったです。
最初、花菱って救い難いヤブだなと思ってましたが、次第にいい人になってきて今巻の過去編を読んで「ちゃんと考えてるんだなぁ」と思い、5話目の万能薬の話で「成長したなぁ」と。
医者って人の体や生死を扱うもんだから、患者の前ではやっぱり迷いとか戸惑いとか見せられないもんだと思うし、何かそういったところを超越してそうな気がしますが、やはり獣医であっても生き死にに関わると動揺することも当然あるんですね。
そういうの、あんまり見せない鳥取は格好いいと思うし、そういう感情をすぐ見せてしまう花菱は獣医としてはどーなんだって思うけど…
一方で鳥取には患蓄や飼い主の前ではともかく自分の先輩や友人の前でくらいはもう少し感情を見せたらって思うし、花菱は大学時代に貧乏してた鳥取に勉強とかで世話になる代わりに食事を奢ってたりっていう、強引だけども相手に気を遣わせない善意に好感が持てるなと思います。
しかーし! まぁ格好よさで言えば鳥取が断然上なのだが。
何巻からかは忘れましたがエンペラーの土門院長の息子が現れ、理想論を語る花菱に強い敵対心というか嫌悪感を抱きますが、やはり花菱の傍にいる鳥取を邪魔に思い始めてしまう、と。
んで、その鳥取(と花菱)を陥れようと近づき、会話を録音してしまうけども……このときのやり取りが「えーっ!」って驚きました。
大抵、主人公が敵に陥れられるとき、「もうダメだ」ってどん底までやられてしまうのに、この鳥取くんは悪役さえ出し抜いてしまうという…アッパレ。
さらには、そんな土門息子に救急の患蓄のことで助力を頼んだり、頼むときにでさえ横柄な態度だったり…どっちが悪なんだか(笑)
というか、土門息子よりも精神的にやばそうな土門弟は、これから何をしでかしてくれるのか、こっちの方がちょと怖い。
あと、土門息子が多島さんに好意を抱いているけども、多島さんが鳥取のとこで働いてると知ってどう思うのか気になりますw
逆上してもっと鳥取のことを憎むのか、あるいは大人しく引き下がるのか…
ただ、そんな鳥取もやはりまだ若者だったのね、と思うのが最後の8話目。
患蓄の治療費をかけて大学時代の恩師と、どちらが患蓄の症状の原因を早く当てられるかというゲームをしましたが、ガッツポーズとかしてはしゃいでたり、そのせいか油断してたりといつもより隙を見せてましたね。
意外な面が見れたのは楽しかったです。
そして、最後になって1話目の感想ですが、なんかほのぼのというかほっこりしますね。
最初はよくある片親のせいで父子がギクシャクって話なのかなぁと思ったら、それとはまた別だったんだなぁと。
終わりのシーンを見たとき心音ちゃんがとても可愛く思えます。
