『秒速5センチメートル』 ★★★
脚本・監督・原作:新海誠
声優:水橋研二、近藤好美、花村怜美、水野理紗、ほか
幼い頃の恋の、成長するにつれて変わる、あるいは変わらない心を描いた作品、としては王道を行くようなストーリーだと思いました。
描写はすごく洗練されてるんじゃないかと思うんだけど、全体の流れ(ストーリー)を考えたとき、特徴的な…あるいは印象に残る場面(風景や描写でなく人同士の会話とか)がないので、ありがちなものと思えてしまう気がします。
風景や描写以外で特徴的だったと言えば、登場人物の一人語りのところかな。
主人公・遠野貴樹の心の内や、篠原明里の手紙文や心の内や、そういう言葉のひとつひとつはとても綺麗に感じました。詩的というのかも知れないですね。
新海誠監督が「日常によりそった作品を目指す」とおっしゃっていた通り、そういう情景描写に力を入れているなっていうのは観ていても伝わりました。
舞台となる町、風景は元になった場所があるようで、そういうのもしっかり伝わってきたし、その在り来たりの風景の中でも、登場人物の心情というのを重ね合わせたときの、景色の変化というのも感じられたんじゃないかな、と思います。
ただ、最後が長く感じましたね…
エンディングアニメーションとエンドロールと。
それから、主人公の男性に最後もう少し救いが欲しかったです…