『猫にまつわる不思議な話』 ★★★
著者:宇佐和通
出版:Gakken
「前足で開けた襖を後ろ足で閉めるようになったら、その猫は化け猫だ」
――あなたの猫は大丈夫?
と、腰帯にはありますが、
内容はそんな不気味な話ばかりではありません(笑)
なのに、読んでるとふと『新耳袋』を思い出したのは、
話の書き方や形態? が似てるからかな、と。
1話1話が短く簡潔に書かれていて、
余分な装飾もなくとても読みやすくなってます。
それだけ多くの話が収録されているからですが、
1話が大体2~3ページで短くまとめられ、
1冊を読むのにもほとんど時間がかかりません。
まぁ、腰帯に書かれたような不気味……というよりは
不思議な話が多かったというのも、
『新耳袋』を思い出した理由ではあると思いますが。
猫を飼ったことがない人は、きっと「飼ってみたいかも」と思うだろうし、
猫好きの人はもっと猫が好きになるような内容になってます。
読んでて本当に猫が愛しくなってくるし、やっぱり猫には人を癒す
効果があるんだろうなぁと思います。
ただ、ひとつの物語に詳細を求めたい方や、
深い話を求める方には確実に物足りなさを感じる書籍です。
あと、2ページに1枚の割合で猫写真が掲載されてるんですが、
残念ながら語られてる話にはまったく関係の無いものだったので、
ここは関係のある写真が見たかったかなと思いました。