『猿の惑星:新世紀』 ★★★★★
監督:マット・リーヴス
出演:アンディ・サーキス、ジェイソン・クラーク、ゲイリー・オールドマン、ケリー・ラッセル、トビー・ケベル、ジュディ・グリア、コディ・スミット=マクフィー、他
すごく面白かったです。文句のつけようのないほど。
冒頭、知性を持った猿たちの生活風景から始まるんですが、もうそこから鳥肌もの。
とてもリアリティがあって、本当にこういう猿たちがいてもおかしくないと思える、思わせるほどの説得力があるなと思いました。
実際にこんな猿たちが居たら脅威なんだけど、でも映画の中だからなのかとても興味深くて、見ていてワクワクしました。
物語の内容はというと、“猿インフルエンザ”が世界に蔓延し人間の多くが死んでしまう。それは文明的な生活が成り立たないほど。
そんな中で生き残った人間たちが、猿たちの住む森の傍までやってきた。目的は森の中にある水力発電所。
人間は発電所の修理をさせて欲しいと猿たちを説得するが、以前、人間に虐待を受けた猿たちの中には反発する者たちも出てきて――
人間側、猿側の思惑やら葛藤やら衝突やら、両者それぞれに同じような心理描写や言動があって、猿が人間とまったく同じになりつつあることを感じました。
とくに、猿の中で反乱(?)が起こるところはまさにそれで、あの瞬間はまさに衝撃的でなんとなくショックでした。
ただ、一方的な人間側「=悪」ではないところに、ちょっとホッとしてたりもします。
知性を得たことによる恩恵もあれば弊害もあるということなのか…
自分、人間側なのに何故か猿たちには、人間のようになって欲しくないなぁと思ってしまいました。
とはいえ1作目では結局、人間と同じようなことをしているわけですが。
後半、猿たちは一部の猿たちに扇動されて人間側を攻撃してしまいます。
そんな中で、人間が猿に、猿が人間に憎悪を抱いたり、あるいは人間が猿を、猿が人間を助けようとしたり、最悪な事態を回避しようと互いに働きかけたり…
それでも結局、電気が通った間に人間側が軍に猿たちのことを伝えたせいで、人間と猿の全面戦争が始まる――というところで物語は終わります。
切ないです。
その場にいた、互いを思いやる人間側と猿側の一部の人たちが争いを治めたっていうのに、結局、戦争は止められないのかっていうことが切ない。
これも生存競争? 自然の摂理?
ただ、この物語の結末は分かってるんですよね。
“軍隊”を持つ人間と、今回初めて武器を手にした猿と、全面戦争して猿が勝つともまだ思えないんですが、これがどう結末に向かうのか…これは非常に気になります。
次回作が待ち遠しいです。
創世記、新世紀と同じくらいの面白い作品になることを願いたい。
