『なくもんか』 ★★★★★
監督:水田伸生
脚本:宮藤官九郎
出演:阿部サダヲ、瑛太、竹内結子、塚本高史、皆川猿時、片桐はいり、ほか
観ようかどうしようか、迷ってた映画ですが観て正解でした。
“泣ける喜劇か、笑える悲劇か”
本当にこの一言は的確だなと、観終わってみて思いました。
笑えるところはたくさんあって、でも、悲しいこともたくさんあって…
端々でガツンガツン痛かったり辛かったりするセリフがあって、自分だったら絶対ヘコむだろうなってことも、主人公の祐太はずっと笑ってるのがまた痛々しい。
生き別れた祐太の弟・祐介が、そんな兄の本質を語るところがありますが、結局そのことについてはどうなったんだろう、と思ったり…
それ以外のことでも微妙な問題があるっぽいんですが、それも解決しているようには見えなくて――でも、それが現実なのかも知れない、とも思ったり。
「こうだからこうなった」とか、「こう思う、だからこうする」とか、そんな明確に答えの出ることなんてないのかも。
それにしても、なんでこんなに笑えるんだろう!
『舞妓Haaaan!』も面白かったけど、『なくもんか』はそれ以上です。
いろんな話がてんこ盛りなのに、それでもバラバラ感がなくてテンポが良いのがすごいなと。
それに、観終わったあとにもまだ物語が続いているような、そんな不思議な感覚をおぼえました。
ただ、少し残念だなと思ったのはそのラストかな、と。
答えがないのが現実的だとは言いましたが、もう少し何かを示唆するようなラストが良かったなぁと思いました。
あと、コメディな(?)ノリの映画なので、スタッフロールとかその後とかオマケの映像があるのかな? と思ったら無かったんで、勝手な話なんだけども残念でした(笑)
あと、やっぱり“笑い”に関しては日本のものが一番ですね~。
日本人だから当然かもですが、こういうのって海外の人も笑えたりするのかなって、ちょっと気になりました。
とにかく、私が見てきた邦画の中では1、2位を争う面白さです

